JFEは、昨年12月に配置転換の内示をし、今年2月末までに転勤の諾否を確認するとしてきました。会社はその結果を「大部分の社員より『転勤の内示に応諾する』との回答をいただき」「一部の社員からは『転勤の内示に応諾しない』との回答をいただいている」(組合ニュース28-44)としています。
内示に応じた人も応じなかった人も、それぞれ状況は深刻です。
内示の対象者は745名でしたが、京浜地区に残る人や京浜地区での出向者などを除くと、転勤の対象者は約600名だったようです。JFEは実数を明らかにしていませんが、会社のいう大部分が仮に8割とすると、約480名が転勤の内示に応じ、残りの約120名が転勤の内示には応じられないと、退職を決断したと考えられます。
不安を抱え、悩みに悩み抜いての決断!
母親「企業ってなんて非情なんだ」
転勤の内示に応じた人達も、不安を抱え、家族を含め悩みに悩み抜いての決断です。 まして退職せざるを得ない人、単身赴任を決めた人の苦悩、苦痛は計り知れません。
単身赴任を決意した40代の労働者は「遠隔地配転を内示されたが、配転には簡単に応じられない。20年以上の単身赴任で、一家が離れ離れになる。悩みに悩んだ末、単身赴任を決めた」とのことです。その母親は「息子と家族を離れ離れにし、追い込む企業ってなんて非情なんだ」と、JFEスチールの非人間的な仕打ちに怒り心頭です。
シームレス鋼管の退職者
再就職先が見つからず、深刻な状況の人も多数
シームレス鋼管のプロパー170名は「合意退職」の名のもとに解雇され、リクルートで再就職の斡旋を受けていましたが、今でも再就職先が見つからず、深刻な状況の人も多数います。
シームレス鋼管の労働者の母親は、
「息子がシームレスにいたが、今は失業中。早く仕事を探しなさいと言うと、機嫌が悪くなる」
「うちの息子は二人ともシームレスで働いていたが、未だに仕事が見つからず、困っている」
と、嘆いています。
関連下請け労働者の雇用の確保は、もっと大変で心配です。
「みなさんは技術はある、自信を持って相談に来てください」
(「連携本部」副本部長)
JFEスチールの高炉等休止に係わる関係行政機関連携本部は、今年2月6日から、再就職支援に関する特別相談窓口を、神奈川県内すべてのハローワークに設置しています。
「連携本部」は「求人は増えている。みなさんは技術を持っているのだから自信を持って相談に」と来ることを待っています。 転勤に応じられない人や関連下請け企業で退職せざるを得ない人は、取得した資格や身につけた技能・技術に自信を持ち、納得できる再就職先を確保するために、今すぐ「特別相談窓口」に相談しましょう。
7月から「合同企業面接会」が予定されていますが、それでは遅すぎます。
「JFEスチール京浜の高炉休止に反対し職場を守る会」は、一日も早い再就職支援の実施に向けてがんばります。