新国立競技場の見直しに続き、東京五輪・パラリンピック公式エンブレムの使用中止という大混迷が続いています。
なぜそうなるのか―。
「使い続けることに国民の理解が得られない」―組織委員会・事務総長の武藤敏郎氏による、公式エンブレム使用中止会見です。
7月24日、佐野研二郎氏デザインのエンブレム発表以来、盗用疑惑の報道にあふれ、約一ケ月後に使用中止に追い込まれました。
浮上したのは、選考の不透明さです。決定したデザインが審査委員長すら知らされず変更されました。動いたのは組織委員会のマーケティング部門です。
なぜ佐野氏案に固執したのか。組織委員会が選考理由を語った際、「佐野氏の原案が、関連グッズへの展開しやすい力を持っていた」とあけすけです。
五輪グッズの売り上げ等を優先させる選考が根底にありました。
エンブレムはその五輪の象徴です。大会の理念やビジョンを反映すべきものが後景に押しやられ、商業主義にゆがめられたのです。
しかし、一番の当事者である森喜朗会長は「えらい目にあった」と人ごと発言。責任を取る動きはありません。
職場新聞の記事より
商業主義のゆがみ
2015年10月17日