職場新聞の記事より

申年に あたって

申年に あたって

2016年2月3日

 えと猿が関わる日本昔話の「桃太郎」は多くの人が知っている話です。
 男の子を表す「太郎」が栗や杏ではなく、なぜ桃太郎なのか?
 お供は、どう選ばれたのか?
 これは、古代中国に発達した陰陽五行説(おんみょうごぎょうせつ)に由来します。万物を陰と陽に分類し、森羅万象の構成要素を木・火・土・金・水の5つが循環して変化するという考え方です。 四季の変化、時刻(方位)も五行では、十二支(えと)で分類されています。
 「陰陽道」では、「丑寅(北東)」の方角は、邪悪なもの、忌み嫌うものなど「鬼」が出入りする「鬼門」と呼びます。
 この鬼を退治するのは対角の南西の申、酉、戌であり、果物は桃なのです。
 申は、猿、酉は、鶏(にわとり)ではなく、平安時代に雉(きじ)が神への献上物として定められており、酉は雉であり、戌は、犬。
 鬼は、牛の角を生やし、虎皮のパンツをはいています。
 鬼退治をした桃太郎一行は、宝を船いっぱいに積んで帰還します。
 宝船は鬼退治が成就したシンボルであり、「繁栄」「成就」「大いに茂る」の意味が隠されているのです。
 「還暦」はこの陰陽五行説の各十二支が五行(十干)を一巡(12×6)することから60を表し、60歳を祝うのです。