安倍首相は5月3日に、憲法9条に自衛隊を明記する憲法改定を打ち出し、2020年に施行することを表明しました。これは、首相の憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条違反の発言であり、憲法改定案の発議権をもつ国会に対する行政権の不当な介入です。その狙いと危険はどこにあるのでしょう。
憲法に自衛隊を明文化すれば
無制限に海外での武力行使ができるようになる
憲法9条を改定して自衛隊を書き込めば、たとえ9条2項「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」を残したとしても、「戦力不保持」の2項を死文化させてしまいます。
なぜなら、3項に自衛隊の存在が書かれれば、従来の「歯止め」がなくなり、海外での武力行使が文字通り無制限に可能になります。
海外で一人も殺さず、一人も殺されることのなかった自衛隊の性格を、根本から変える重大な改悪です。
9条に自衛隊を書き込むことは、災害救助などで頑張っている自衛隊員の身を危険にさらすことにもなります。
首相改憲発言に、新聞各紙は猛反発
国民は9条改憲を望んでいない
憲法9条を活かし、外交の力で解決を
北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて許されません。しかし、深刻な犠牲が生じる軍事的選択は絶対にとってはなりません。
安倍政権は、米トランプ政権の軍事的緊張を高める行動を支持し、自衛艦に「米軍空母防護」の任務を付与したことは、トランプ政権が北朝鮮への軍事力を行使したときに自衛隊を自動参戦させてしまい、日本国民と国土が大きな打撃を受けることになりかねません。
日本国民の命と安全を守る立場に立つなら、9条を活かした外交の力で解決するしかありません。
野党4党(共産、民進、自由、社民)は、「安倍政権のもとでの憲法改悪に反対」で合意しています。野党と市民の共闘をさらに強め、安倍9条改憲を阻止しましょう。