門前ビラ

「核兵器のない世界」へ前進しよう!

「核兵器のない世界」へ前進しよう!

2017年8月23日

 広島と長崎にアメリカの原子爆弾が投下されてから72年を経た今年7月7日、ついに国連で「核兵器禁止条約」が採択されました。
 この条約は、国連加盟193カ国の63%にあたる122カ国の賛成で採択され、核兵器の非人道性を厳しく告発し、その違法性を明らかにした画期的なものです。

核兵器は「使用の威嚇」を含め全面的に禁止された

 核兵器禁止条約の「前文」には「ヒバクシャ」という言葉が書かれ、被爆者は、耐え難い犠牲をこうむった存在であるとともに、「核兵器のない世界」をつくるクリエーター(創造者)として明記されています。
 条約第1条には、核兵器の「開発、実験、所有、使用」などが禁止され、核兵器に「悪の烙印」が押され、全面的に違法化されました。
 また、核兵器の「使用の威嚇」=いざというときには核兵器を使うぞ、という脅しによって安全保障を図ろうという考え方=も禁止され、核保有国やその同盟国が唱える核抑止力論を禁止したことは大きな意義をもつものです。
 核保兵器有国と日本を含む同盟国の多くは、この「国連会議」に参加さえしていません。
 被爆者のサーロー節子さんは「この日を70年間待ち続け、喜びに満ちています。これは核兵器の終わりの始まりです」と語り、会議に参加さえしない日本政府の姿勢に「怒り、失望以上のものを感じます」と批判しました。

国連会議

北朝鮮の核開発を放棄させる大きな力

 核兵器にしがみつく勢力が最大の口実にしているのが北朝鮮の核開発です。
 北朝鮮に核兵器を放棄させるうえでも、国際社会が核兵器禁止条約を結び、核兵器を違法化し「悪の烙印」を押すことが大きな力になることは明らかです。
 日本政府もこの条約に参加して、「もう日本は『核の傘』による安全保障という考え方は放棄した、だからあなたも放棄しなさい」と、北朝鮮に迫ってこそ、もっとも強い立場に立てるのではないでしょうか。

 連合逢見直人事務局長が談話を発表  
「連合はすべての核兵器の廃絶を求める立場から、本条約の採択を歓迎する…日本政府に対し、条約の批准・発効に向けた外交努力を強く要請する」=7月10日

「核兵器のない世界」へ =原水爆禁止2017年世界大会=2017原水爆禁止

 原水爆禁止2017年世界大会(3~9日)は、核兵器禁止条約を手にした喜びと、それを力に「核兵器のない世界」へ前進しようと、熱気あふれる感動的な大会となりました。
 田上富久長崎市長は、日本政府が「核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません」と批判しました。
 長崎の被爆者団体の代表は9日、長崎市内で行われた安倍晋三首相に対する要望の場で、「総理、あなたは、どこの国の総理ですか」と、核兵器禁止条約への参加を迫りました。
 世界大会・長崎決議「長崎からのよびかけ」では、「核兵器禁止条約に背を向け、9条改憲をもくろむ安倍政権を、市民と野党の共同の力で解散総選挙へと追い込みましょう」と訴えています。
 日本政府が条約にサインしないというなら、野党と市民の共闘の力でサインする政府をつくりましょう。

2017.08