新入社員と中途社員の採用で、職場は青年労働者が増えていますが、辞めていく青年が多くなっています。JFEスチール労連の第9期前半年度総括討論集会では「若手社員が自己都合退職するケースが多く…定着対策を強化」という重要な意見が出されました。
青年にとって、魅力ある職場とはどのようなものでしょうか。
魅力ある職場にするために大幅賃上げを
青年とって一番の要求は賃金です。
労働組合の頑張りで6年連続で賃上げしましたが、青年からは「1000円や1500円の賃上げはどこにいったか分からない」「残業しないと生活ができない」という声があがっています。
討論集会では「『長く会社で働きたい』『この会社で退職を迎えたい』と思えるような魅力ある会社にするために…賃金改善に注力」など、切実な声が出ています。
青年にとって魅力ある職場をつくるためには、大幅賃上げはどうしても必要です。
ゆとりある要員配置こそ、職場要求解決のカギ
青年は仕事を早く覚えて中心的な担い手になりたいと強く思っています。
しかし、職場は要員不足で技能継承にまで手が回りません。
「2018年安全衛生フォーラム」では、「要員タイトな中、…余裕を持った作業が出来ていない」「要員不足により教育する余裕がない」など、要員不足を指摘する発言も多く出されています。
労働災害に歯止めがかかりません。JFEスチールの昨年の労働災害は、死亡災害2件、休業災害18件でした。今年も4月に福山地区で、21歳の青年が酸欠により死亡しています。
要員不足で、作業基準書を守った安全な作業ができないのです。
「失効年休ゼロ」や「男子の育児休暇取得促進」など、職場の重要な問題のほとんどが要員不足につながっています。
切実な職場要求を解決するには、ゆとりある要員配置がカギです。
また、女性社員を採用しておきながら、受け入れ態勢が未整備など論外です。
60歳以降の働き方についても、改善が必要です。
青年が働き続けるためにもパワハラ根絶は不可欠
職場では引き続きパワハラ被害が続発しています。
パワハラは、管理職・役付きをはじめ、みんなが要員不足のなか、高いハードルの仕事を押しつけられ、ストレスや強圧的な言動として現れてしまうのです。
「いい仕事がしたい」「社会に役立ちたい」と夢と希望を抱いて就職した青年労働者が、パワハラで苦しめられたり、退職を余儀なくされるなど、断じてあってはなりません。
青年にとって魅力ある職場にするためには、会社の責任でパワハラを根絶することが不可欠です。
組合員がいちばん嫌がるのは選挙応援
特定の政党や候補者への支持押し付けは「憲法違反」
過去の調査では、組合員のいちばん嫌がる組合活動は、選挙応援です。
ところが討論集会では、来年の参院選の「支援者カード」について「組合員の3倍の目標達成のために独身者にはご両親やご兄弟を、既婚者には配偶者とご両親など…紹介してもらう」と、とんでもない意見が出されました。
労働組合の特定政党への支持の押しつけは、基本的人権を踏みにじる「憲法違反」であり、
組合の団結を破壊し、弱体化させる行為です。 所属政党にかかわりなく「候補者重視」でも同じことです。
青年にとって働きがいのある魅力ある職場をつくるために力を合わせましょう。