10年以上にわたって深刻なパワハラが放置されてきたコークス工場では、職場有志の申し入れで、ようやく、パワハラ研修会の実施までこぎつけました。しかし、京浜地区全体でのパワハラ根絶に向けた取り組みはすすんでいません。
コークス工場で全員対象のパワハラ研修会を実施
昨年、コークス工場有志が、今後、パワハラ被害を絶対に発生させないため防止策を講じるよう、工場長に二度にわたって要請しました。
また、工場の明確な防止策が出されないため、京浜地区の「セクシャルハラスメント等相談窓口」へも要請してきました。
その後、関係者へのヒヤリング、被害者への工場長からの一定の謝罪、本社人権啓発室室長による工場全員対象の研修会を開くなど、根絶へ向けた取り組みが始められています。
「セクシャルハラスメント等相談窓口」は責任を果たすべき
厚生労働省の「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」(2012年度)では、この3年間に「パワハラを受けたことがある」と答えた人は、25・3%です。なんと4人に1人がパワハラを受けているのです。
昨年11月、京浜地区の職場有志が、「相談窓口」へ製鋼工場、保全職場、JFEウイングなどでも続発しているパワハラ根絶のための要請をしました。
しかし、「相談窓口」は、「製鋼工場、保全には、工場長や統括に電話して聞いたが、『問題のある事実はない』ということでした」と、深刻で重大な問題を電話で済ませて、パワハラの事実を否定する回答でした。また、「ウイングは別会社で、ウイングにもそういう窓口があってそこで対処することになっている」と、責任を回避しています。
生産でも安全でも、なにかにつけて「直協一体」を強調しているJFEスチールです。発注元企業として安全配慮義務を果すべきです。
会社の責任でパワハラ根絶の対策を
パワハラは被害者の人格と心身の健康を傷つけ、労働の意欲と能力を低下させ、職場と会社に損害を与えます。アンケートなどで実態を早急に把握し、対策を立てるべきです。
○ パワハラは絶対に許さないという職場風土をつくる。そのために、仕事量に見合った要員配置と競争をあおる成果主義を是正する。
○ 会社の責任を明確にし、管理・監督者への教育を徹底する。
○ パワハラ根絶のための研修会を職場全員対象に実施する。
2014年2月25日「京浜の高炉」