2018年春闘が始まります。要求額はまだ決まっていませんが、基幹労連は昨年末に「18年度3500円、19年度3500円以上を基本とする」と提案しました。職場では「3500円なんて少な過ぎる。せめて1万円以上の要求はしてほしい」の声が上がっています。力を合わせて大幅賃上げを勝ち取りましょう。
大企業の内部留保は過去最高に
大幅賃上げを実現する条件は十分にある
アベノミクスの5年間(2012年12月~17年10月)で、実質賃金は消費税増税や社会保障の負担増で、391万円から377万円に年間14万円も減少し、生活水準は落ち込んでいます。
一方で、大企業の内部留保は、グラフの様に、この1年間で15兆円も増え、16年度に328兆円と過去最高に達しています。
JFEでは、2014・15年は1000円、16年1500円、17年1000円の賃上げがありましたが、生活が楽になった実感はまったくありません。
もうかっているのに賃上げしないのですから、内部留保は増えるばかりです。 JFEホールディングスもこの一年で、内部留保を373億円も増やし、16年度1兆9011億円も貯め込んでいます。そのわずか0・5%を取り崩すだけで、グループ6万439人全員に1万円の賃上げができます。 大幅賃上げを実現する条件は十分にあります。
大幅賃上げの要求を正面から取り上げてこそ
企業収益は過去最高なのに、なぜ賃金は上がらないのでしょうか。
一つには、大企業がまともな賃上げをせず、さらに正規労働者を2000万人を超える低賃金の非正規雇用労働者に置き換え、労働者全体の賃金を抑えているからです。
もう一つの要因は、労働組合が組合員の大幅賃上げの要求を正面から取り上げてこなかったからではないでしょうか。このような協調姿勢では、「会社の支払い能力の範囲で議論すべきもの」「先行きが不安だから将来に備えて」などという会社の主張に勝てません。
スト権を構えて、労働組合と職場が一体となって団体交渉に臨まなくては、獲れるものも獲れません。
連合も政府も財界も「賃上げが必要」
神津里季生連合会長は1月5日「『賃金は上がるものだ』という常識を取り戻すことが重要だ」と述べ、「2%程度」のベースアップ(定昇込みで4%程度)を求めています。 全労連・国民春闘共闘は、月額2万円、時給150円以上の賃上げを要求しています。
安倍首相も「3%以上の賃金引き上げ」を言い、経団連も「3%の賃上げという社会的な期待を意識」「個人消費を喚起する必要がある」と、賃上げの必要性を認めています。 JFEは、「魅力ある企業」にするためにも、貯め込んだ内部留保をはき出して「大幅賃上げを」の声にこたえるべきです。
大幅賃上げで暮らしを守り、消費購買力が増えて景気が良くなってこそ、JFEスチールなど鉄鋼産業も、日本経済も活性化します。