倉敷地区製鋼工場で4月18日に、溶鋼の不純物除去中の鍋から溶鋼が漏れ出し、26歳の男性社員が重傷、他4人が軽傷という重大災害がありました。
原因は明らかではありませんが、京浜でも溶鋼漏れはしばしば起きており、最近でも、製鋼工場の連続鋳造職場で溶鋼漏れがあったばかりです。
高温の溶けた鉄が大量に漏れることは特別の怖さがあります。
操作室を高い所に設置し、耐火物で遮蔽しても、大量に漏れた場合は熱風と輻射熱に曝されます。 炉や鍋がひっくり返った場合のように大量に一気に漏れた場合は逃げる暇もなく、高所にあるクレーン運転室でも大変危険です。
大分前のことですが、渡田地区で転炉が転倒した時、私もそばの計算機室にいましたが、煙で周りが見えず這って逃げ出しました。転炉の下方にいた機関車の運転手は、溶鋼は浴びませんでしたが、輻射熱による火傷で亡くなられました。
過去にも溶鋼漏れで多くの人が被災していますが、その教訓が生かされていないのではないでしょうか。
大量の溶けた鉄を扱う製銑や製鋼の職場では、これまでの災害の教訓を生かし、万全の安全対策をしてもらいたいものです。 (S・F)
職場新聞の記事より
倉敷地区製鋼工場 の災害
2015年5月30日