安全性が保証されないまま関西電力大飯原発3、4号機を再稼働させたとして、福井県などの住民が関電に運転差し止めを求めた訴訟で、福井地裁は、関電側に運転差し止めを命じた。
全国の原発訴訟で住民側が勝訴したのは、高速増殖炉原型炉もんじゅの設置許可を無効とした名古屋高裁金沢支部判決と、北陸電力志賀原発2号機の運転差し止めを命じた金沢地裁判決(いずれも上級審で住民側の敗訴が確定)に続き3例目。
審理では、関電が想定した「基準地震動」より大きい地震が発生する可能性や、外部電源が喪失するなど過酷事故に至ったときに放射能漏れが生じないかなどが争点となった。
脱原発弁護団全国連絡会などによると東京電力福島第1原発事故後、全国で住民側が提訴した原発の運転差し止め訴訟は少なくとも16件あり、福井訴訟が事故後初めての判決となった。
関電は再稼働に向け原子力規制委員会に審査を申請し、新規制基準に基づく審査が続いている。
安倍政権は、再稼働を急がせるために最近、原子力規制委員会委員長の首をすげ替えた。