会社・労働組合・職場がカをあわせ、パワハラのない京浜地区をつくろう!
京浜製鉄革新懇は、「パワハラのない職湯づくりを-シンポジウム」を7月5日、川崎市教育文化会館で開催しました。
パワハラがなぜ起きるのか、職場からなくすためにはどうしたらいいのか、などについて専門家の意見を聞いて、青年が「夢と希望のもてる京浜地区」にするために、いっしょに考えていこうと、開いたものです。
パネリストは、京浜製鉄革新懇・名越高治氏、川崎合同法律事務所弁護士・中瀬奈都子氏、全労働神奈川支部書記長・川口修氏、日本共産党中央委員会労働局・筒井晴彦氏の4氏でした。
パネリストの報告要旨を紹介します。
名越氏
「クズ、カス、バカ」「給料泥棒、会社を辞めたほうがいい」などの激しい言葉の暴力で、青年労働者がウツ状態になるなど、深刻なパワハラの実態を告発。
問題の背景には、人員削減や成果主義の人事評価によるストレスがあり、会社の責任で、被害の実態を把握し、対策を立てなければならないことを強調。
中瀬氏
パワハラとは一般的に、① 同じ職場で働くものに対して、② 職務上の地位や人間関係など職場の優位性を背景に、③ 業務の適正な範回を超えて、④ 精神的・身体的苦痛を与え、又は職場環境を悪化させる行為。
パワハラは発生してからでなく予防が大事。
パワハラは個人の問題でなく職場全体の問題。
パワハラがあったと証明するためには、メモ、日記、同僚にメールで知らせる、などが重要である。
川口氏
パワハラが起きるメカニズムについて、ある小規模卸売企業を例に、管理の厳格化のもとに個人管理が強化され、パワハラが横行していく。
短期で利益をあげなければという状況から、目標や個人管理が強化されパワハラが起きる。
パワハラで休業やウツ病になった原因の分析を経営側にやらせていくことは、労働組合の重要な役割。
職場の問題で病気になったら労災申請すべきで、そのために労災保険がある。
勇気をもって申請した人をみんなでフォローする。
筒井氏
日本にはパワハラを規制する法律はない。共産党のブラック企業規制法案は労働安全衛生法を改正するという形で、パワハラの防止を盛り込んだ。
国際的にはどうなっているか
◇ EUの場合は、パワハラをおこなった加害者に対して、解雇を含む懲戒処分を科すことも明記している。
欧州基本権憲章では、すべての労働者は自己の健康、安全および尊厳を尊重する労働条件に対する権利をもってい るとしている。
◇ ビジネスの分野で、人間としての尊厳、これを守るためにパワハラを防止する・禁止する方向性を打ち出している。
一つは、企業は人権を守る責任がある、二つ目は、国家は人権を尊重する義務がある、三つ目は、人権侵害を受けた被害者を救済する措置を拡大する、という三つの柱で人権尊重の大きな流れが生まれている。
(2014年7月18日 「革新懇ニュース」号外より)