職場新聞の記事より

天皇中心の国家ヘ 憲法が憲法でなくなる(自民党改憲案を考える②)

天皇中心の国家ヘ 憲法が憲法でなくなる(自民党改憲案を考える②)

2016年12月5日

 日本国憲法(現憲法)の前文は
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し…政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する
という一文から始まります。家族
 ここには、「主権在民」を表明し、物事は国民の代表者の議会で決める、そして戦争から国民を守ろうという決意があります。
 国民が自分たちで憲法を制定し、国家権力を制限する「立憲主義」が明瞭に示されています。

 一方、自民党改憲案は
 日本国民は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される
と「天皇中心の国」を継承するために、国を「統治」することを目的としており、憲法の意味を180度かえています。

 さらに、現憲法にはない「国民の憲法尊重義務」を加え、天皇中心の文化と国家の維持・継承を、国民に義務付けています。
 そもそも憲法は、国民が国家に対して設ける制限・命令ですから、公務員には憲法尊重擁護の義務を課していますが、国民にはその義務はありません。