職場新聞の記事より

息子と縁を切って 自衛官の母が国を提訴

息子と縁を切って 自衛官の母が国を提訴

2017年1月20日

 自衛官の息子をもつ北海道千歳市の50代の母親が、「自衛隊の南スーダンPKO(国連平和維持活動)への派遣は憲法違反」と派遣差し止めと撤退などを求めて11月30日、札幌地裁に提訴しました。 南スーダンPKO派遣問題で、自衛隊員の家族が訴訟を起こしたのは初めてです。
 原告弁護団は「安保法が具体的に作動し、立憲主義が崩されるこの局面での、PKO派遣の違憲性を真正面から事実で迫るこの訴訟の意義は大きい」と強調しました。
 原告は実名とは別の「平和子(たいらかずこ)」さんと名乗っています。自衛隊員の家族として平和的生存権を侵害され精神的苦痛を受けたとして国に対し、20万円の国家賠償も求めています。次男(20代)は陸上自衛隊東千歳駐屯地に勤務しています。
 平和子さんは、「私がこのような発言をすることで息子に迷惑をかけてしまうかもしれない。だから、絶縁状を送り、息子と縁を切りました。この問題は息子のことだけではありません。母親達は皆、人を殺し、殺されるために自分の子どもを育てたわけではないはずです」と決意を語っています。