賃上げは青年のいちばん強い要求
いまJFE発足後入社の社員が約4割を占め、青年労働者が職場の中心的な担い手です。青年には、さまざまな要求がありますが、
「残業しないと生活ができない」
「こんな給料では、生活設計がなりたたない」など、いちばん強い要求は賃上げです。
鉄鋼労働者の賃金は、2015年は1997年よりも、年額でなんと18万円も減っています。
労働組合は、「2014年の鉄鋼賃金は5年ぶりに製造業平均を割り込んでおり、2015年もその差が広がることが濃厚」と指摘しています(15連合会ニュースNO359)。
会社も、「賃金増額の水準において、他産業と比べて鉄鋼業が見劣りしている」と、〝見劣り〟を認めています。会社も労働組合も認めるほど、賃金は低いのです。
青年にとって、製造業平均並の賃金は最低条件です。
賃上げの実現が、どうしても必要です。
「そうは言っても、賃上げはむつかしいのでは?」
「残業で稼ぐしかないのか……」
たしかに、いまのままでは、切実な賃上げが実現しにくいことも事実です。
JFEスチール労連は、結成以来春闘で一度も賃上げを要求しませんでした。要求しないのでは、賃上げなどあり得ません。
14年からは、労働組合のがんばりで、久しぶりに賃上げが実現しました。
しかし、会社は、わずか4000円の要求すら値切り、16年は1500円、17年は1000円の超低額回答です。会社は、「赤字だから」、黒字の時には「先行きが不安だから将来に備えて」と言って、結局、いつも賃上げを渋るのです。
賃金とは何でしょうか
賃金は本来、労働者と家族の衣・食・住を満たし、養育費、文化教養費など、健康で文化的な生活ができる生活費であり、社会的水準に見合ったものでなくてはなりません。
つまり、労働者が普通に生活できる賃金を会社が支払うことは、大前提の当り前のことであり、「もうけがあったら還元する」とか、「あくまで会社の支払能力の範囲内で議論すべきもの」(16春闘での会社の主張)ではまったくないのです。
会社がもうかったら還元してもらう、という立場では、会社に譲歩を迫れません。
賃上げを実現するには、青年をはじめ組合員の切実な賃上げ要求とエネルギーを結集して、労働組合が断固として要求をかちとる構えを確立することが不可欠です。
そして、労働組合と組合員の次のようなとりくみが必要なのではないでしょうか。
○職場討議をおこない、切実な要求をみんな で出し合う。
○賃上げ要求を正確につかむためにも、アン ケートなどを実施 する。
○会社に譲歩を迫る ために、労使の協 議=話し合いでは なく、団体交渉が必要です。
〇会社がどうしても要求に応じなければ、ス ト権を確立して、会社に迫ることも必要に なってきます。
賃上げは、労働組合と組合員が、自らの要求のためにたたかってこそ実現できます。
賃上げで暮らしを守り、内需主導の経済への発展を
賃金は「会社の支払能力の範囲内で議論すべきもの」ではありません。
ましてやJFEホールディングスは、2015年度までに3兆5千億円の大もうけをあげてきました。その結果、内部留保は1兆9011億円(17年3月期)に達し、そのわずか0・5%をとり崩すだけで、グループ6万439人全員に、1万円の賃上げができます。
「支払い能力がない」というのは、まったくのデタラメです。
労働者の賃金があがれば、暮らしを守ることはもちろん、消費購買力が増えて景気が良くなり、JFEスチールなど鉄鋼産業も、日本経済全体も発展します。
青年をはじめ組合員のみなさん。
18年春闘こそ、要求を出し合い、要求をかちとる構えを確立して、青年の切実な賃上げを実現しようではありませんか。