トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩労働党委員長が、6月12日シンガポールで、歴史上初めての直接会談を行い、共同声明に署名しました。
日本共産党は、長年にわたって厳しく敵対してきた米国と北朝鮮が、朝鮮半島の非核化と平和体制構築をすすめ、両国関係を敵対から友好へと転換させるために努力することで合意したことに対して、心から歓迎します。
金委員長は「朝鮮半島の完全な非核化への強固で揺るぎない決意」を表明し、トランプ大統領は「北朝鮮に対する安全の保証の提供」を約束しました。
そして、米朝両国が「平和と繁栄を望む両国民の願いに従って新しい米朝関係を樹立」し、「朝鮮半島に永続的で安定した平和体制を構築」することを宣言しました。
昨年まで、米朝がお互いにののしり合って戦争が起きるのではと不安が広がっていましたが、米朝の首脳が握手し会談したことは、この数カ月の歴史的な激動を実感させます。
平和に向かう長い道のりの決定的一歩
マスコミには米朝首脳会談の結果について、「具体性に乏しい」「あいまいな合意だ」など否定的な声もありますが、70年間戦争状態にある国が1回の首脳会談で何もかも決まるということはあり得ないし、北東アジアの平和体制の構築という大きな方向へ合意し、プロセスを始めたことに大きな歴史的意義があります。
職場でも「過去にも裏切られた」、「あんな国と話ができるのか」との声が聞かれましたが、どんな紛争・対立も話し合いで解決するしかありません。
それが今回の会談で示されたのではないでしょうか。
日本政府は、核・ミサイル、拉致、過去の清算など北朝鮮との間の諸懸案を包括的に解決し、国交正常化のための努力をはかり、始まった平和のプロセスを促進する役割を果たすべきです。
拉致問題の解決も、日本政府が正面から北朝鮮に向き合い、この流れに位置づけてこそ道が開かれます。
日本を含む関係各国・国際社会が粘り強く協力を
安倍政権は、北朝鮮の核・ミサイル問題を「国難・脅威」と言いつのり、安保法制、沖縄の辺野古新基地建設、9条改憲の口実としてきましたが、朝鮮半島の非核化と平和への歴史的なプロセスが成功をおさめるならば、口実の根拠がなくなります。
この首脳会談は、平和へのプロセスの始まりであり、日本を含む関係各国・国際社会が、困難ではあっても成功をおさめるまで粘り強く協力していく姿勢が大事です。
日本共産党は、北朝鮮問題の「対話による
平和的解決」を一貫して主張してきました。
米朝会談によって開かれた、非核化と平和体制構築に向けた歴史的なプロセスの実現のために、引き続きあらゆる努力を続けていきます。