JFEなど鉄鋼大手は、2021年度から65才定年制を取り入れようとしており、11月には会社から提案されようとしています。そもそも定年延長問題は、年金支給開始年令が引き上げられて65才まで無年金になるという、政治の責任の大問題です。
会社が、65才までの雇用と賃金の安定を保障することは、当然のことですが、職場には、不安ととまどいもあります。
組合員の希望と実態を尊重した制度に
65才前に退職する場合も、定年退職扱いに
60才以降の就労希望は7割を超えていますが、現行シニア・エキスパート社員の6割はいろいろな事情で65才前に辞めています。
また、2016年のJFE労連の調査でも、退職年令を自ら選ぶ「選択定年制」を望む声が一番多かったように、体力や健康、家族の介護など家庭の事情なども考慮した、柔軟な制度が強く望まれます。
仮に、さまざまな事情で65才前に退職する場合でも、退職金で不利益にならないよう、定年退職の扱いにするのは当然です。
会社は、60才以降も「現職継続が大前提」としていますが、体力や健康、家庭の事情なども考慮し、「体がもつか心配」「交替勤務はムリ」「夜勤はきつい」などの要求を取り入れなければなりません。
特に高熱重筋職場では、希望者には常昼職場を新設し、働きやすい勤務形態を導入するなど、65才までムリなく働ける職場環境を整えることは緊急の課題です。
60才で賃下げなどあってはならない
現行シニアのように、60才以降の賃金・一時金が下げられることなど絶対にあってはなりません。必要な財源は会社が負担し、現役世代の賃下げなども到底認められません。
また、49才をピークに引き下げられる年齢加給も見直すべきです。
「成果主義」賃金の強化は働く意欲を失わせ、安全面もマイナスに
会社は、「これまで以上に成果を処遇に反映できるような賃金制度へ」と、成績査定、「成果主義」をいっそう強化しようとしています。しかし、鉄鋼業はグループ作業を中心とする働き方が大きな特徴です。
これ以上の「成果主義」強化は、働く意欲を失わせ、安全面も含めマイナスです。
65才定年時の退職金増額は当然
5年間延長されるのだから、65才定年時の退職金増額はあたりまえです。現行退職金は、60才、37年勤続で1570万円ですが、基幹労連の2018年春闘要求(60才、勤続42年で2500万円)に見合った金額にしなければなりません。
移行期間における定年延長者とシニア雇用者との処遇に、格差が生じないようにすることも必要です。
出向者は、65才までJFE在籍は当然です。
全世代の組合員が納得できる、魅力ある社員制度(定年延長)を実現しましょう。