65歳への定年延長に伴う制度改訂について、労使で検討中です。
「連合会ニュース」№479によると、会社から「定年退職金の支給水準」などの退職金制度、「職位者ローテーション」などについて説明がありましたが、とても受け入れられる内容ではありません。
定年延長で勤続が延びたら
その分の退職金の増額は当たり前
会社は「定年退職金とは『定年退職』という事象に対して支給するものであり、定年年齢の変更を実施する場合であっても定年退職という事象自体が変わるものではないため、その金額水準を変更する必要はない」と、とんでもないことを言っています。
職場からは、「会社はやりたい放題だな」、「どう考えてもおかしい」などの声が上がっています。
そもそも退職金は、賃金の後払いであり、その金額は勤続年数と職能に応じて算定されることは、学説上も社会的にも定説となっています。
会社は一方では、「退職金額は、いわば勤続と会社に対する貢献度に応じてその金額が決定されるものと認識している」といっているのですから、定年延長により勤続年数が延びれば、その分の退職金の増額は当たり前です。
スチール労連も「鉄鋼業の支給水準が世間相場との比較でも劣位」というほど低いのですから、増額すべきです。
65歳前に退職する場合でも
定年退職支給率の適用は当然のこと
定年延長で65歳まで働ける職場環境をつくることは、会社の責任です。
体力や健康、家族の介護など、さまざまな事情で、65歳前に退職する場合でも、退職金で不利にならないよう「定年退職支給率」が適用されるのは当然のことです。
会社は、「満50歳以上退職者への定年退職支給率の適用および加算金の支給に関しては早期退職の促進策としての意味合いが強い」「制度の必要性は薄れるものと考えている」と、この制度の廃止をにおわせていますが、健康などやむを得ない事情により退職する場合があるので、現行制度は維持すべきです。
リーダー職位者ローテーションのねらいは
労働者を競わせ最大の利益を上げること
会社は、リーダーに関して「モチベーションを維持、さらには向上させるべく、リーダー職位に就任する社員のローテーションを行いやすい仕組みを検討している」と言っています。
リーダーの就任任期が定められ、多方面の仕事をこなすことが求められ、いっそう責任が押し付けられることになりますが、こんな制度で職場の仕事や人間関係が、スムーズにいくのでしようか。
会社のねらいは、「各人が生み出す付加価値を最大化する」といっているように、労働者をさらに競わせ、最大の利益を上げることです。
JFEスチールでも「若年層の離職率」が高まり「人材確保と定着」が大きな課題となっています。
青年労働者をはじめ職場で働くすべての世代にとって、魅力ある希望のもてる定年延長制度でなければなりません。