会社は、年明けから転勤にむけての二回目の「個別面談」を実施すると言い、職場には不安や動揺がいっそう広がっています。JFEHD寺畑雅史副社長は時事通信のインタビューで「2021年度の粗鋼生産量が2500万トン程度まで回復する」と言っています。高炉休止は2400万トンを前提にしていたのですから、不安をあおる前倒しの必要はまったくありません。
転勤者の苦悩・苦労が100万円でカバーできるのか
初めから、数百名程度の人員削減を見込んでいる
「特例措置」では、「転勤者には構造改革協力金100万円支給」を提示していますが、転勤者の苦悩・苦労がたった100万円でカバーできるというのでしょうか。
職場では「100万円では車も買えないよ」「免許のない人やペーパードライバーはどうするんだ」と、批判が出ています。
「特例措置」は、転勤に応じられない人への配慮がまったくありません。コロナ禍の中、やむを得ず退職した人たちは、たいへん苦労していることでしょう。
会社は「雇用は必ず守る」と言いながら、職場を失う1200名の転勤先について「西日本で数百名、西日本以外で最大170名の受け入れを想定」といい、初めから数百名程度の人員削減を見込んでおり、こんなにやり方は、許されるものではありません。
JFEは関連労働者全員の雇用に責任をもて
JFEは、これまで京浜地区の事業基盤を支えてきた、2000人以上の関連労働者の雇用に責任をもたなければなりません。
「協力会社の皆さんについても、意向を聞きながら、誠意をもって対応」すると約束したのですから、JFEは協力会社といっしょに、三次・四次下請けも含めた関連労働者全員の面談をただちに実施して、意向を聞き、雇用確保に責任をもつべきです。
仮に減産が必要だとしても、次のようにすれば京浜の高炉は守れます。
① 1基しかない京浜の高炉を止めるのではなく、高炉が3基ある倉敷か福山 で、そのうちの1基を止める
② または、全社8基の高炉で減産を分担(1400トン/日)する
面談で〝配転したくない〟も立派な理由
二回目のアンケートや「個別面談」では、「特例措置の提案に対する受け止め、転勤希望地区、転勤可否などを確認」すると言います。人事も面談に加わるという話ですが、面談を受ける人にプレッシャーをかけるようなことは絶対にあってはなりません。
それでなくても休止職場の人たちは、会社のひどい仕打ちで正月気分もありません。 会社は「可能な限り皆さんの気持ちに寄り添った対応をしていきたい」と約束したのですから、〝転勤に応じられない〟人にも丁寧に相談にのり、責任をもって雇用を確保しなければなりません
〝転勤したくない〟も立派な理由です。面談では、自分の気持ちを堂々と伝えることが大事です。
JFEスチール高炉休止への社会的包囲さらに広がる
川崎市議会では、日本共産党石川けんじ市議が〝JFEは21年度は黒字だと発表。黒字なのにリストラするなど許されることではない。雇用が保証されない大規模リストラ計画に対しては、川崎市は休止の白紙撤回も含めて強い態度で臨むべき〟と追及しました。
会社が決めたことでも諦めず、職場から声を上げ、地域住民と連携を強め、京浜の高炉を守りましょう。