JFEスチール労連をはじめ、基幹労連加盟の大手組合は、今年は要求年ではないからと早々と春闘の組織化を放棄しましたが、JFE関連や中小の組合では春闘がたたかわれ、大きなヤマ場をむかえています。今年の春闘は、3%強の物価上昇という最近にない状況のもとで、賃上げへの期待がかつてなく高まっています。
「選挙どころじゃない、賃上げしてくれ!」
自動車や電機の組合は6000円、連合は2%以上、国民春闘共闘(全労連、純中立労組で組織)は2万円以上の要求をかかげて、2015年春闘をたたかっています。
基幹労連の工藤智司委員長の「真にデフレからの脱却と経済の好循環を実現するには、非正規をはじめとする不安定な雇用を改め、低所得層の賃金底上げを図るしかない(2月18日、毎日新聞)との発言は、まったくそのとおりです。
京浜の職場からも「選挙どころじゃない、賃上げしてくれ」の声があがるのも当然です。
安倍首相、口では賃上げ、やることは賃下げ
労働者の賃金は昨年春からわずかに上向いていますが、上昇分は1%にも届きません。
消費税増税や円安による物価上昇は3%を超え、実質賃金は19カ月連続低下しています(右図)。
安倍首相は、口では賃上げと言いながら、実際やっていることは、低賃金・不安定雇用を押しつける労働者派遣法の改悪、「残業代ゼロ」制度の導入など、賃金を下げる政策ばかりです。
そして消費税が10%へ増税されれば、実質賃金はさらに低下します。
安倍政権の労働者・国民いじめの暴走をストップさせ、大幅賃上げをかちとらなければ、労働者の生活はますます苦しくなるばかりで、消費も増えず、日本経済もよくなりません。
「1〇〇〇円では家計の足しにもならない、隔年春闘は見直すべき」の声
JFEの今年の賃上げは、昨年の春闘で決まった1000円のみです(内訳は:主任1級以下の職能給を一律500円増額し、残りは職位手当加算や管理職手当一律1000円の増額に配分される)。
消費税増税や物価上昇、社会保障費の改悪による負担増は6%(月1万8000円)といわれている中、たった1000円の賃上げでは家計の足しにもなりません。
基幹労連の春闘討論集会では、
「賃上げは全体で一緒にやらないとしっかりした答えが出ないのではないか」
「今回の結果次第では、2016年から単年度の取り組みにしてもいいのではないか」
など、隔年春闘への批判的な意見が出されています。
隔年春闘を見直し、組合員の切実な要求にもとづいて、毎年「賃上げ」を要求すべきではないでしょうか。