働く人を過労死に追い込む「働き方改革」一括法が6月29日、野党が厳しく反対するなか、過労死遺族の悲痛な声を無視して、自民・公明、維新の会などが強行し成立しました。
その柱となっている「高度プロフェッショナル制度」には、連合、全労連などすべての労働組合が反対しています。こんな悪法は絶対に許せません。
「残業をしても残業代は払わない」
「過労死を合法化」する悪法
「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)は、労働時間、休憩、休日、割増賃金などの労働時間規制を撤廃し、使用者は、労働時間を管理せず、どんなに残業をしても残業代は一円も払わないというものです。
年収1075万円以上が対象者だから自分には関係ない、と思ったら大間違いです。
経団連は、年収基準を400万円に引き下げることを主張しており、産業競争力会議の竹中平蔵氏は、「小さく生んで大きく育てる」(「東京」21日付)というように、いずれは労働者全員が対象になりかねません。
問題は「高プロ制度」だけではありません。 「時間外労働の上限規制」も、過労死ラインとされている「月100時間未満」「2~6カ月平均で月80時間」まで容認するもので、過労死ラインの長時間労働を法律で認めるという、とんでもないものです。
「働き方改革」一括法の採決を強行した29日、過労死遺族や弁護士らが怒りをもって抗議の会見をしました。
過労自殺した電通社員、高橋まつりさんの母親・幸美さんは、「過労死防止と矛盾する内容だ。まつりの母として絶対に納得できない。命より大切な仕事なんてありません」と訴えました。
遺族らは、亡くなった家族への思いを込めて喪服を着て遺影を前に会見し、廃止を求めて運動を続けると表明しています。
この一括法は、「生産性の向上」を目的とした財界やJFEなど大企業の要求にこたえたものであり、労働者にとっては死ぬまで働けというものです。
いま、労働者の命と健康が危機にさらされ、企業も、経済も、社会も立ち行かなくなる瀬戸際に立たされています。
「残業代ゼロ制度」や「長時間労働」を職場に持ち込ませないたたかいが、極めて重要となっています。
*********************************
職場の3人に1人が パワハラを受けている
厚生労働省の「平成28年度職場のパワーハラスメントに関する実態調査」によれば、過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがあると回答した従業員は、32・5%でした。
4年前の実態調査では25・3%で4人に1人だったのが、3人に1人へと、パワハラ被害は大幅に増えています。
JFEの職場でも、パワハラが多発しており、JFE京浜・権利闘争すすめる会にも多くの相談が寄せられています。
パワハラは、労働者に精神的・肉体的苦痛を与え、退職や自殺にまで追い込む大問題であり、断じてあってはなりません。
被害にあうのは弱い立場の若い人たちです。
会社の責任でパワハラ被害を根絶することは、労働者の人権尊重にとっても、JFEなど企業の発展にとっても不可欠な課題です。