門前ビラ

改悪された派遣法を抜本改正し、正社員が当たり前の社会に!

改悪された派遣法を抜本改正し、正社員が当たり前の社会に!

2015年10月22日

派遣法改悪説明図

 連合も全労連も反対した改悪労働者派遣法が、9月30日に施行されました。「派遣は臨時的・一時的な業務に限る」「常用雇用の代替禁止」という二つの大原則をくつがえす大改悪です。悪法の抜本的改正に向け、これからが新たなたたかいです。

「生涯ハケン」「正社員ゼロ」につながる大改悪

 改悪された労働者派遣法は、これまであった、専門業務を除き原則1年、最大3年の期間制限を廃止し、新たに事業所と個人単位の期間制限(3年)を設けます。しかし、派潰先の労働組合の意見を聞くだけで何年でも延長ができ、期限がきた労働者も課・工場を変えれば続行できます。派遣元と「無期契約」なら、期間制限もありません。
 これまでは期間制限がくれば、「直接雇用の申し込み義務」があり、直接雇用につながっていました。改悪法ではこれが削除され、労働者は失業するか、別の派遣先で働くしかなく、正社員化の道が閉ざされました。
 派遣労働者の待遇は、フランスや韓国では正社員と同じかそれ以上の処遇が定められています。改悪法では「均衡処遇確保」が盛り込まれましたが、格差を認めるもので、正社員と同じ待遇にするにはほど遠い内容です。

JFEで働く正社員にとっても重大問題

 派遣法の改悪は派遣労働者はもちろん、JFEの正社員にとっても重大問題です。
 これまでは期限を超えて雇用継続するには正社員にすることが必要でした。JFEの事務系で働いていた派遣社員で、3年の期限が過ぎたことで、正社員となった人もいました。
 しかし、改悪された派遣法では、派遣労働者を期限なく使い続けることが可能となり、利益最優先の企業では、正社員から、派遣への「変更」がすすめられることは明らかです。
 「正社員だから関係ない」という人もいますが、派遣への置き換えはどの職場でも行われる可能性があり、正社員として残ったとしても、賃金の引き下げ、長時間労働など、労働条件を引き下げる大きな圧力となります。派遣法国際比較
 労働者を使い捨て、労働条件を破壊するこのやり方は、企業の土台と日本の経済・社会を壊し、国を滅ぼすものです。
 働くなら「正社員が当たり前」の社会こそ、実現すべきです。

新たなたたかいで、労働者派遣法の抜本改正を

 政府・財界は、労働者派遣法改悪を突破口に、「残業代ゼロ」「限定正社員」などの導入で、正社員はごくわずか、ほとんどの労働者を安上がりで使い捨てにしようとねらっています。
 労働者派遣法は改悪されましたが、国会論戦と労働者・国民のたたかいで、39項目にのぼる付帯決議が付けられました。これは今後の労働者派遣法の抜本改正のたたかいにつながる重要な足がかりです。
 安倍首相は、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の「新3本の矢」を打ち出しました。しかしこれは、戦争法反対の国民の怒りをそらす目くらましで、実現のための政策も裏付けもない絵空事です。
 派遣法の改悪で、労働者との矛盾は避けられません。戦争法廃止、消費税増税・TPP・原発再稼働反対のたたかいと結んで、労働者派遣法の抜本改正につなげていきましょう。

2015.10