「京浜の高炉休止」
「到底受け入れられるものではない」(連合会ニュース)
会社は3月27日「23年度を目途に東日本製鉄所京浜地区の上工程(製銑、製鋼)および熱延設備を休止…」と、発表しました。
職場には動揺が広がっています。
組合は、発表直後の職場の受け止めを「疑問・不安・動揺・悔しさ・憤りなどが様々去来して、到底受け入れられるものではない」としていますが、まさにその通りです。
高炉休止の原因に「鉄鋼需要の低迷」「原料価格高騰」「生産能力過剰問題」「固定費増加」などをあげていますが、こんなことは前からわかっていたことです。「我々は経営を信じて、より懸命に供給責任を果たしてきた」(連合会ニュース)のですから、「高炉休止」など、とんでもありません。
従業員1200人、関連労働者2000人以上、家族も含めればはかり知れない人たちに犠牲を強いることになります。
取引先企業を含めた地域経済を守るためにも、京浜地区の銑鋼一貫体制を堅持し、京浜の地に安定した雇用と生活基盤を確保していくことこそ、経営者の責任です。
定年延長問題
退職金は勤続が延びれば、増額するのが当たり前
3月18日、来年4月実施予定の「定年延長問題」で具体的提案がありました。
会社は、「定年が延びても退職金は増やさない」といっていますが、勤続が延びれば増額するのは当たり前です。
現行制度では、労使協定で「満60才勤続37年で1570万円」となっていますが、実際には組合が言っているように「満60才勤続42年では1900万円」となり、330万円の増額になっているのですから、さらに5年長く働けば1900万円+330万円=2230万円が妥当です。これでやっと世間並みといえるのではないでしょうか。
職場の強い声と労働組合のがんばりもあり、「満55才以上の自己都合退職でも、定年退職支給率および加算金」をかちとったことは、大きな成果です。
30才代・40才代の加給は大幅減額
加給については、最近の生計費実態に合わせて変更したといいますが、30才代・40才代は大幅減額です。職場の中核を担う中堅・ベテラン層の貢献を適正に反映していくという観点からも、納得が得られません。
成果主義賃金の強化は、生産面でも、安全面でもマイナスに
会社は「会社の期待に応え、成果を上げる社員をより厚く処遇すべき」として、成果主義をいっそう強化しています。主事1~3級の組織貢献給の基礎額は4万円、査定係数は0~3・0で、最低の人と最高の人とでは実に12万円も差がつきます。しかも、退職金にまでポイント制を採り入れ、査定を強化しようとしています。
これ以上の成果主義強化は、チームワークを壊し、働く意欲を失わせ、生産面でも安全面でもマイナスです。
シニア・エキスパート(A)の賃金は上がらず
現行シニア・エキスパート(A)の賃金は上がらず、60歳時の6割程度(定年退職時の職能給)と低いままです。これでは、定年延長者との格差は縮まらず、職場の一体感は薄れるばかりです。
安心して働ける職場を確保し、魅力ある希望のもてる制度をつくることこそ、会社のやるべきことです。