JFEスチール労連第20回定期大会議案書では「苦悩の判断となりますが、構造改革の必要性を理解し、その完遂に向けて具体的な施策に協力していくものとします」と、京浜の高炉休止を容認し、9月9日の第20回定期大会で機関決定しようとしています。
組合員、関連労働者の怒りと動揺、不安が引き続き渦巻いているにもかかわらず、機関決定などしていいのでしょうか。
会社が決めた事でも
納得できないことには反対の声を上げよう
京浜の高炉が休止されれば、従業員1200人、関連労働者2000人、その他の下請け労働者を含めると約4000人もの職場が奪われる大問題です。
その上、JFEHD柿木社長は8月14日の会見で「京浜の高炉休止の前倒しを検討している」「(コロナ禍などで)さらなる生産体制の見直しを考えなければならない」など、労働者の気持ちを逆なでする、とんでもない勝手なことを言っています。
一方で柿木社長は「(20年度)下期は増産とコスト削減効果の拡大を見込み、赤字を解消してゼロとなる見通しだ」などと、無責任なことを言っています。
それだけではありません。会社は新型コロナウイルスの感染拡大による緊急労務施策を労働者に押し付け、毎月7~8万円もの減収となり、生活が脅かされています。
「高炉休止」で、自分たちの職場が奪われ、人生が損なわれるのですから、たとえ会社が決めた事でも、納得できないことにはみんなで反対の声をあげましょう。
労働組合は組合員の苦悩の声を聞き、職場を守るために全力を
「京浜の高炉」休止発表のあと、あちこちで職場に見切りをつけ、退職している人が後を絶ちません。
会社の説明のあと、職場に出てこなくなった労働者がいましたが、その労働者は「京浜に残る見込みがなくなった」と、転職を決意したそうです。その人にとっては人生をかけた苦しい選択があったことでしょう。
京浜の高炉休止は、約4000人の従業員・関連労働者の職場を奪い、その家族にも多大な苦痛を強いる一大事です。
いまこそ労働組合は、組合員の怒りと不安、苦悩の声を聞き、職場を守るために全力をあげるべきです。
「京浜の高炉休止の撤回をJFEに求めてほしい」と要請
JFE京浜・権利闘争すすめる会は、7月28日、畑野君枝衆議院議員の設定による経済産業省への質問・要請では「企業に指導はできないが、みなさんの意見は会社に間違いなく伝える」との言葉を引き出しました。
「JFE京浜の高炉休止に反対し職場を守る会」は、神奈川県、横浜市、川崎市に対し「雇用や地域経済への影響などを調査し、構造改革の撤回をJFEスチールに求めてほしい」と要請行動を行い「地域経済への影響は大きいでしょう。雇用調査はします」などの回答を得ました。
8月20日には記者会見を開き、東京新聞、神奈川新聞などで取り上げられ、大きな反響を呼んでいます。
会社が決めたことでも諦めず、職場から声をあげ「高炉休止」を撤回させましょう。