JFEスチール労連に続き、京浜労組も9月25日の大会で、京浜の高炉休止の容認を「極めて厳しく辛い施策であり苦渋の判断となるが止むを得ない」と機関決定してしまいました。しかし職場には「組合員の疑問や不安、落胆や憤り」が渦巻いています。「京浜の高炉を止めるな! 雇用と地域経済を守れ!」の運動は、社会的にも広がっています。
「高炉休止はしょうがない」という人もいるが、
半数の人は「配転に応じない」
「権利闘争すすめる会」で対話した結果では、次のようになっています。
高炉休止に
反対 30人(36・1%)、しょうがない33人 (40・0%)、わからない20人 (24・0%)
配転に
応じない31人(50・0%)、 応じる12人 (19・3%)、わからない19人 (30・6%)
この対話の結果からも、西日本地区への配転には半数の労働者が「応じない」と答えています。その人たちにとって「京浜の高炉休止」は、首切りと同じです。
ある新入社員は「高炉休止がわかっていたら、こんな会社に来なかった」と、夢と希望を打ち砕かれた仕打ちに怒っています。
もっと深刻なのは、関連会社で働く人たちです。関連会社の事業が続けられるのか、自分の仕事はあるのか、と心配するなか、退職する人が後を絶ちません。
「21年度は黒字化」というのなら京浜の高炉休止は撤回せよ
JFEHD柿木社長は、8月12日の決算会見で、鉄鋼事業は「20年度下期は増産などで、赤字を解消してゼロへ。21年度は500~600億円の黒字化へ」と、京浜の高炉休止前に、黒字化できると言ってます。
それなら、なおさら京浜の高炉休止は必要ありません。撤回すべきです。
仮に減産が必要だとしても、次のようにすれば京浜の高炉は守れます。
① 1基しかない京浜の高炉を止める のではなく、高炉が3基ある倉敷か 福山で、そのうちの1基を止める
② または、全社8基の高炉で減産を 分担(1400トン/日)する
職場では、京浜の高炉休止に追い打ちをかけるように、コロナ禍での緊急労務施策が実施され、労働者の減収は年換算で100万円にも上ります。「下期以降は自動車分野を中心に回復の見込み」と言っており、この施策は今すぐやめるべきです。
社会的に広がる「京浜の高炉休止」反対の声
「京浜の高炉休止に反対し職場を守る会」は、日本共産党の片柳・後藤川崎区市会議員と、川崎区の町内会長を訪問し20人以上と懇談しました。「1万人に影響するとは大変なこと、がんばってください」と、雇用を心配し、守る会の行動を応援する声も多数ありました。
8月から始まった川崎駅ターミナル宣伝では、約50人の支援者が参加し「京浜の高炉を止めるな」と、声をあげています。多くの市民と共にJFEスチール京浜地区のOBや現役労働者が「ビラを下さい」と受け取り、関心が広がっています。
各自治体への要請に回答がありました。
神奈川県知事「状況把握に努める」
川崎市長「地域経済や雇用への影響が想定され、同社とは必要な協議を行っていく」 横浜市長「構造改革の動向等を注視していく」と、前例のない文章での前向きな回答に期待が高まっています。
職場から声を上げ、地域との連携を強め、京浜の高炉を守りましょう。