職場新聞の記事より

解釈変更で集団的自衛権は認められるか?

解釈変更で集団的自衛権は認められるか?

2014年5月25日

秘密保護法廃止をめざす川崎の会主催『解釈変更で集団的自衛権は認められるか?』の緊急学習会が5月15日エポック中原で行われました。

 元内閣法制局長官 阪田雅裕氏が「政府の憲法解釈と集団的自衛権」と題して話しました。

 氏は初めに憲法と法律の関係について、法律は、民主主義国家の統治手段で、多くの人達の幸せを守るために国民をコントロールするもので、憲法は法律の作り方のルールを決めて法律を拘束するもの。政府の憲法9条解釈は1項で侵略戦争・違法な戦争を禁じている、2項で戦力の不保持を掲げているが自衛隊はここでいう「戦力」ではない。なぜなら 憲法第13条で「生命、自由及び幸福追及に対する国民の権利」を守るのが国家の役割だからわが国に対する武力攻撃が発生したときはこれを排除する必要がある、その必要最小限の実力が自衛隊である。

 集団的自衛権とは「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する国際法上の権利」、これに対して自衛権(個別的自衛権)は国連憲章以前から認められており、わが国ではその発動のため次の3要件が必要とされてきた。

  1. わが国に対する不正の侵害があること、すなわち武力攻撃が発生したこと
  2. これを排除するため他の適当な手段がないこと
  3. 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。

 ところが政府はこれまでの9条解釈を変えて、直接攻撃を受けなくともわが国へ深刻な影響が及び得ると政府が判断すれば集団的自衛権を発動しようというのです。 正当な法的理論もなく解釈を変えるのは9条の空文化であり、立憲主義と法の支配の否定である、と 強調されました。

 私は、『専守防衛』の言葉にだまされて日本をアメリカといっしょに戦争する国にさせてはならない、と決意して会場をあとにしました。

(K・K)