職場新聞の記事より

熱中症の発生原因と症状

熱中症の発生原因と症状

2014年5月25日

 高熱重筋作業の鉄鋼職場では熱中症の発症確率が高くなります。

 インターネットで調べた結果を要約して書いてみます。職場で自分自身はもちろん、まわりの同僚から熱中症が出ないように注意するとともに、もし症状に気付いた時、適切な処置をとられるよう参考にしてください。

 作業中は筋肉で熱が生まれています(熱産生)。その時、汗の乾きにくい高温・多湿な環境(風通しの悪い炎天下、炉前など熱い物体の近く、蒸気が立ちこめた場所等)にいると、それに見合った熱の放散(熱放散)ができず、体温が上昇します。体温は正常もしくは少し上昇しますが、40℃を超えることはありません。(体温上昇)。

 作業中は、通気性の悪い服装やマスクなどの保護具で身体を覆ったりして、汗の蒸発が妨げられて無効な発汗による脱水をおこしやすくなります。汗を大量にかくと、体内のナトリウムが急激に失われ、この時、水だけを飲んでいると低ナトリウム血症を生じて、筋肉が収縮しやすくなりけいれんすることもあります(熱けいれん)。

 また、皮膚の血管が拡張して血圧が低下すると脳にまわる血流が減少して、めまい、失神、頭痛、嘔吐等の症状が出ます(熱失神)。

 やがて、脱水も加わり臓器への血流の悪い状態が続くと、筋肉、消化管、肝臓、腎臓、脳等の機能が低下します(熱疲労)。皮下脂肪が多めの人、もともと心臓、脳、腎臓、甲状腺等に持病のある人、そして発熱や下痢等の症状のある人は、要注意です。

 そして、暑さを我慢しながら作業していると、体温が上昇してしまい、ついに正常な判断ができなくなり、脳卒中のような突然の意識消失を招きます(熱射病)。

 意識障害は、応答が鈍い(自分の名前が言えないなど)、言動がおかしい、日時や場所がわからない、などで注意が必要です。

 熱射病を発症すると、迅速適切な救急救命処置を行っても救命できないことがあるため、熱射病への進展を防ぐことが重要です。

 予防法としては、暑さを感じたら適度な休憩やのどの渇きを感じなくても産業医のおすすめのポカリなどをこまめに飲むことではないでしょうか。