職場新聞の記事より

あなたの背中に12ケタ

あなたの背中に12ケタ

2015年6月10日

 赤ちゃんからお年寄りまで、全員に12ケタの生涯変わらない番号を付けて、社会保障や税の個人情報を国が一括管理・活用するものです。
 安倍内閣は早くも改定案を国会に提出していますが、それには預金口座や健康診断・予防接種、中所得者向け公営住宅の管理にも適用拡大すると定めています。
 制度には大きなリスクが指摘されています。
 第1は、システム運営に関与する側が、個人情報を盗み出せば、本人に成り済まして年金や保険の不正受給が可能になってしまい、他人の銀行口座を不正に操作し、自分の口座に送金させることもできてしまいます。
 第2は、海外のハッカーが持ち前のIT技術を駆使してネットワークに侵入すれば何でもできてしまいます。現にマイナンバーに近い制度を導入した米国や韓国では、いち早くハッカーの侵入を許し、その修復作業に膨大な資金を投入しています。
 省令の整備も進まないため、自治体の準備も進んでいません。
 民間企業にも番号の利用が義務付けられ、情報管理体制などを整えなければなりませんが、多くの事業者は準備すら始めていません。
 マイナンバー制度は、(国民総背番号制)を言い換えて提出してきた制度ですが、政府が広報するように便利な一面があるものの、国民にとっては、すべてを国に管理される恐ろしい法律です。